目次
概要
古都奈良の世界文化遺産は、日本建築と日本美術の進化をその目で見ることができる貴重な世界遺産で、奈良が日本の都として栄えていた710年から784年までの日本の文化と政治の発展を鮮明に示しています。
この時代に日本の国家体制が確立され,日本文化の源泉として奈良は隆盛を極めました。
この世界遺産は現在の奈良市に位置し、78 棟の建造物を含む 8つの構成要素からなります。
登録地域の面積は619.9 haで、緩衝地域(1962.5 ha)と歴史的環境調整区域(539.0 ha)に囲まれています。
奈良の都であった平城京が置かれた場所は、中国の風水の陰陽思想に則り慎重に選定されたと言われています。
長安などの中国の都を参考にし、壮大な都市計画が策定され、宮殿や寺院、神社、公共の建造物、住居、道路が格子状の区画上に作られました。
平城京の中央通りの北端に位置する平城宮の面積は120 haを占めており、政治的・宗教的儀式を執り行う公的な建物、大極殿、朝堂院、内裏(天皇の住居)などの行政等の目的に利用される様々な施設が集まっていました。
世界文化遺産としての「古都奈良の文化財」の構成資産は考古学的な価値のある遺跡(平城宮跡)、5つの仏教寺院(東大寺・興福寺・薬師寺・元興寺・唐招提寺)、神社(春日大社)、関連する文化的景観(春日山原始林)及びすべての神社にとって不可欠な自然環境が含まれます。
これらの資産はその後の日本の歴史に政治的・文化的変化を及ぼした8世紀の日本の都における宗教や生活の在り方を鮮明かつ包括的に示すものとなります。
登録基準
(ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
古都奈良の歴史的建造物は、中国大陸や朝鮮半島から伝播して日本に定着し、日本で独自の発展をとげた仏教建築群となります。
(iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
古都奈良の文化財を構成する建築遺産は、奈良が古代宮都だった時代に開花した日本文化の唯一の証左です。
(iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
奈良の遺跡(平城京の配置等)から明らかになった、古代アジアの首都の都市計画の顕著な例となります。
(vi) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
奈良の寺社は、ひときわ優れた形で宗教の連続的な力と影響を証明すしています。
英語名
Historic Monuments of Ancient Nara
遺産種別
世界文化遺産
世界遺産登録時期
1998年
構成資産
- 東大寺(とうだいじ)(正倉院を含む)
- 興福寺(こうふくじ)
- 春日大社(かすがたいしゃ)
- 元興寺(がんごうじ)
- 薬師寺(やくしじ)
- 唐招提寺(とうしょうだいじ)
- 平城宮跡(へいじょうぐうあと)
- 春日山原始林(かすがやまげんしりん)
所在地
奈良県
東大寺
興福寺
春日大社
その他の構成資産の所在地
観光客数
約1631万人(2017年)
奈良市観光入込客数(奈良市観光入込客数調査報告書 – 奈良市)
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おすすめ旅行プラン
おすすめ宿泊数(大阪から行く場合)
日帰りから可
おすすめ交通手段(大阪から行く場合)
電車。
(奈良市内の道路は渋滞が激しいため、自動車での観光はおすすめできない)
必要な体力
★★★☆☆☆☆☆☆☆
坂道等を歩ける程度の体力があるのが望ましい。
旅行日程例
予算の目安
5000円~(日帰り)
古都奈良の文化財周辺の観光地
奈良公園:東大寺の隣にある公園で、鹿が有名です。鹿せんべいを手に持つと鹿がすごい勢いで近寄ってくるので注意。