琉球王国のグスク及び関連遺産群

琉球王国のグスク及び関連遺産群

概要

12世紀から17世紀にかけての約5世紀の間に及ぶ琉球王国の歴史を、世界遺産として登録された城跡および遺跡群で感じることができます。
琉球王国のグスク及び関連遺産群は9つの史跡から構成され、2つの石造建造物、5つの城跡、2つの文化的景観が含まれます。
各構成資産は沖縄本島に点在しており、合計54.9ヘクタールのエリアが世界遺産として登録されており、また、周辺の緩衝地域は559.7ヘクタールとなります。

10世紀から12世紀にかけて、琉球民族の農耕集落(グスク)は防衛のため簡素な石壁で集落を取り囲み始めました。
12世紀以降、按司(あじ、または、あんじ)と呼ばれる強大な一族が現れ、自身の領土を要塞化することで防衛機能を増強させ、それらもグスクと呼ばれるようになりました。
そびえたつ高台に残るグスクの城跡はその時代の社会構造の痕跡であり、また一方で聖地として古き時代の宗教の形が珍しく残存していたことを静かに指し示しています。

また、この期間における、広範囲に及ぶ琉球諸島の経済及び文化的接触が独自の文化を育んだとされています。

登録基準

(ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。

琉球王国のグスク及び関連遺産群を構成する構成資産は、琉球の立地的特性の故に、日本、中国及び東南アジア諸国との政治的・経済的・文化的交流の過程で成立した独立王国の所産であり、独自の発展と経過を遂げた琉球地方の特異性を示す事例群となります。

(iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。

グスク群は、日本列島最南端の島しょ地域に展開した農村集落を基盤に成長した豪族層が、政治的な統合と連合の過程で形成した防衛的な城塞施設の考古学的遺跡として極めて貴重な事例群で、今は失われた古い琉球社会の象徴的存在となります。同時に、グスクは歴史的に農村集落の中核をなしており、地域住民にとって先祖への崇拝と祈願を通じて相互の紐帯を確かめる精神的な拠り所として、今なお琉球文化の重要な核心をなしています。

(vi) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

琉球王国のグスク及び関連遺産群を構成する構成資産は、琉球地方独特の進行形態の特質を表す顕著な事例となります。とりわけ、各グスクには農村集落の信仰上の聖域的きのうを持つものも多く、現在でもノロと呼ぶ神女を中心として祭祀行為が行われ、グスクは学術的な重要性を有する遺跡であるとともに、地域住民の精神的な拠り所ともなっています。また、国家の祭祀拠点であった「斎場御嶽(せーふぁうたき)」は、岐厳な岩塊と鬱蒼とした叢林が聖域としての御嶽の本質を示しているだけでなく、樹叢の間から東方の海域とそこに浮かぶ小島が望まれ、ニライカナイと呼ぶ神の国は海の彼方にあるのだとする琉球独特の自然崇拝的な信仰思想と緊密に関係する文化的景観の顕著な事例となります。琉球地方では、このような自然崇拝な信仰思想に基づいて、現在でも各種の宗教儀礼や祝祭が盛んに行われており、住民の生活や精神の中に資産が活用され、文化として生き続けています。

英語名

Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu

遺産種別

世界文化遺産

世界遺産登録時期

2000年

構成資産

  • 今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
  • 座喜味城跡(ざきみじょうあと)
  • 勝連城跡(かつれんじょうあと)
  • 中城城跡(なかぐすくじょうあと)
  • 首里城跡(しゅりじょうあと)
  • 園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
  • 玉陵(たまうどぅん)
  • 識名園(しきなえん)
  • 斎場御嶽(せーふぁうたき)

所在地

沖縄県

今帰仁城跡(なきじんじょうあと)

首里城跡(しゅりじょうあと)

観光客数

約286万人(2017年)

国営沖縄記念公園事務所 利用者状況(国営沖縄記念公園事務所 首里城地区

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おすすめ旅行プラン

おすすめ宿泊数(大阪から行く場合)

3泊~がおすすめ

おすすめ交通手段(大阪から行く場合)

飛行機+自動車
(沖縄本島での移動は自動車が便利。バスもあるが、効率的に回るにはやはり自動車。)

必要な体力

★★★★☆☆☆☆☆☆
城跡巡りの際には多少の坂道を歩く必要あり。

旅行日程例

【一日目】那覇市街地周辺の観光(世界遺産(首里城跡、識名園)の観光と国際通りでショッピング&沖縄料理を堪能)
【二日目】レンタカーを借りて北部へ。(残波岬、今帰仁城跡、美ら海水族館など)
【三日目】マリンスポーツやその他のおすすめスポットへ。

予算の目安

往復航空券+1泊のツアー : 2万円台~
宿泊(素泊まり) : 2000円代~
宿泊(2食付、ホテル) : 7000円代~
レンタカー : 5000円~/1日

琉球王国のグスク及び関連遺産群周辺の観光地

ビオスの丘、美ら海水族館、海中道路、ひめゆりの塔、国際通り、ナゴパイナップルパーク、万座ビーチなど